インバウンド道

インバウンド道#004「どこの国の人が何にお金を使っているか」 

半年振りの更新になってしまいましたが、
あらためて最近のインバウンドを市場データで追っていきたいと思います。

前回「市場規模をざっくり把握する」では、現在2兆円の市場規模があることについて触れました。

今日は国別の内訳を見ていきたいと思います。

2兆円の4分の一は中国による消費

中国人の爆買いが流行語にも選ばれるほど注目されましたが、
2014年のデータを見るとなんと4分の一は中国人によるものだということが確認できます。

とっても大きいです。

 

consumption_country

ついで、台湾、韓国・・・と、訪日外客数の多い国が続きます。

ここは訪日外客数の多い上位三カ国が続いています。

でも来日者数では60%を占める3カ国の消費額を見てみると、
全体の55%程度にとどまっているのがわかります。

 

visitor_country

中国は確かに消費額大きいけど
人数きてる割に韓国はあまりお金を使っていないのだなということも見えてきます。

消費額上位4カ国目にくるのは、訪日外客数の多い、香港ではなく、米国です。

 

単に、訪日客数が多いからといって、消費が多いわけではありません。
では、インバウンドを取り組むにあたってのターゲット選定には、
その人がどれくらいのお金を使っているのかも見ていく必要があります。

消費の内訳を見てターゲットを見極める

実際、直近2015年7-9月期の訪日旅行者の1人あたり消費額を見てみます。

すると、中国では1人当たり28万円使っている一方で、
韓国人は8万円弱しか使っていないことがわかります。

consumption_country_ave

韓国人って、FITでバックパッカーな旅をしているイメージはありましたが、
ここまで極端だとは思いませんでした。

ちなみに平均は187千円ですが、昨年の平均が、151千円だったことを考えると、
訪日外客数だけでなく、消費額も増えていることがわかります。円安の恩恵でしょうか。

全体的に、フランス、イギリス、オーストラリア等遠くて休暇の長い国が上位にランクインし、
一方で、マレーシア、タイ、フィリピン、韓国では少ないことがわかります。

さらにこの内訳を見ると、より、各国の傾向が見えてきます。

たとえば買い物代だけ見てみると、中国の高さが際立っています。
中国の1人当たり総消費額が大きいのは爆買いのイメージどおり、
買い物に牽引されていることが良くわかります。

consumption_country_shopping

嗜好の違いはもちろん加味する必要がありますが、
商業施設であれば、中国はターゲットとして重要になってくるでしょう。

一方宿泊を見ると、中国は平均的です。

consumption_country_stay

高いのは、英国・フランス。

もちろん滞在日数が長いということもありますが、他の欧米国と比較しても高く、
より宿泊場所にお金を使う国だということがわかります。

飲食を見てみると、シンガポール、オーストラリア、フランスと続きます。
意外だったのはその次に来ているベトナムです。
全般的に、多めにお金を使っている国のようです。

consumption_country_foodrink

レストランの客層にもよりますが、まずは英語対応して、
これら消費額の多いそうにアプローチしていくとより上客につながりそうです。

もう一つ、旅行時の大きな支出が交通費です。
交通費の内訳を見ていくとアジア各国が少なく、欧米各国が多い傾向にあります。

consumption_country_transportation

これ、海外から渡航している交通費は含まれていません。
そのことからすると、欧米各国の人のほうが、
多くの場所を移動している可能性があるということになります。

海外から直行便が富んでない地域では、アジアの人を誘致するより、
こうした良く動いている人を誘致したほうが、可能性は高いといえるかもしれません。

最後に、全体に占める割合はわずかですが、娯楽サービス費を見てみます。

consumption_country_recreation

するとフランスが平均の2倍消費していることがわかります。
そして、中国も他の国に比べ多く支払っていることがわかります。

私たちのTokyo FooDrink Tourも今は英語で行っており、
今はアメリカ人が主な参加者ですが、フランスや中国に拡大することで、
さらに拡大する余地があるということをあらためて感じることができました。

 

実際、購入率というデータを見ても、
現地ツアー・観光ガイドは、他の国は1割以下にもかかわらず、
フランスでは2割強の人が購入しているというデータがありました。

単に、総合計消費額を見るだけでなく、人数、単価や購入率をみることで、
より具体的、かつ、効率的な打ち手につなげていくこともできます。

 

「インバウンド」 と一言で言ってしまいますが、
対象となる顧客は、国によってものすごく異なってきます。

理想的には、一度に全部の国対象に手を打っていきたいところですが、
現実的には、いろいろな制約がかかってきます。

どこの国がいいかなんて、結果論でしか、わかりません。
決め内で、はじめてしまうことが、何より大事だと思います。

ざっくり見たら、後は、決めて行動し、トライアンドエラーを繰り返すことが、
インバウンド成功の鍵だと、普段事業を進める中で強く感じることです。