前回は「『やりたいこと』に突き進む」で、ニーズや事業性よりも情熱だと書きましたが、
とはいえ、ニーズや競合を把握しておくことも必要です。
という事で、
まずは、公になっているデータを見ていきたいと思います。
2年間で2倍の2兆円になったインバウンド市場
ニュースで、訪日外客数を良く耳にするようになりました。
2013年は、1,000万人を突破したとか、
2014年は、1,300万人を超えたとか、
2014年4月では、単月で過去最高の170万人超となったとか。
2020年に2000万人を、2030年に3000万人をという目標も、
前倒しして、2020年に3000万人を目指そうという報道もありました。
では実際、「インバウンド」の市場規模はどの程度あるのか。
調べてみたところ、訪日外客数の伸びに伴って、
2014年にはなんと2兆円を超える額が、訪日外国人によって消費されているようです。
2年前が、1兆円ちょっとだったので、
2年で2倍になったと考えると、ものすごい成長率です。
しかも、これは、日本往復の飛行機を除いた額になっていますので、
相当な額が訪日外国人によって日本で使われていることが分かります。
2兆円が落ちている先とは
では、何のビジネスをすれば、この恩恵にあずかれるのだろうかと、
旅行者はどこでお金を使っているかを調べてみました。
予想はしてたものの物凄い集中度でした。
買い物代と宿泊料金で65%を占め、
飲食費と交通費まで含めると実に95%を超えてきます。
インフラやハードを持っており、日本人向けにも営業している企業・業種が、
外国人へも販路を広げることで、この需要を取り込んでいることが分かります。
2兆円の大半を占めていて、規模はとても大きく、チャンスはあります。
ただ、小売りや宿泊、飲食といった分野では、
今はあまりインバウンドには力を入れていないものの既存プレーヤーが多いのも事実です。
新規参入するのが得策かは、資本力とアイディアを踏まえての検討が必要です。
一方、娯楽サービスやその他は
市場規模の割合は小さいものの、そうはいっても540億円ある市場です。
競合が少ないのであれば、ここも新規参入としては有望な領域です。
ざっくりした市場規模はそんなところですが、
言ってしまえば、まだまだその他の領域は未成熟です。
そんな新しい成長領域において、小さくてもまず事業を始める時には、
市場規模を机上で細かく算定してもあまり意味がないことだと思います。
市場はざっくり把握。あまり時間はかけすぎない。
旅行者のニーズを掴んで、
それに対して、サービスを検討していくことが大事だと感じています。
次回は、旅行者に少しだけよって、
どの国の人がどういう何にどのくらいお金を使っているのかを、
自分のおさらいがてらまとめたいと思います。
(出典:「訪日外国人消費動向調査」(観光庁))